2007年9月27日木曜日

川越城下絵図を販売

“300年前”の川越を網羅 元禄7年城下絵図 5000部複写・販売


9月16日 Web埼玉

  江戸時代の元禄七年(一六九四年)の川越城下町の絵図「元禄七年川越図」が川越市内で販売されている。川越中央図書館に保管されている絵図の複写版で、本 丸を含めて周囲で暮らす武家や町民らの名前、現存する寺院も明記されており、市民や観光客らの間で「当時の様子が伺える」と人気を集めている。

 絵図を製作したのは、社団法人「小江戸川越観光協会」(岩堀弘明会長)。

  市によると、元禄七年ごろは松平信輝や柳沢吉保が川越城主で、川越市内の町割りがほぼ完了した時代。川越城の築城五百五十年の記念事業の一環で、「節目の 年に川越市内をあらためて振り返ってもらおう」と、五千部を作成。同協会事務局と川越まつり会館で販売している。一部二百円。

 川越市立博物館が編集発行した「町割から都市計画へ―絵地図でみる川越の都市形成史―」によると、複写の原図は、松郷の旧戸長下川喜衛門所蔵の絵図。これを写した三芳野神社所蔵の絵図と増田氏所蔵の天神縁起付図を元に同図書館が一九一六年(大正五年)ごろに書き写した。

  販売している絵図は縦約五十九センチ、横約四十二センチ。北南を上下に位置づけ、右上に川越城、その下に喜多院。左側には養寿院や行伝寺、蓮馨寺などの寺 院。さらに、城内には柳沢吉保の家臣とみられる武家の名前、街中には「庄兵エ」「左太夫」など町民の名前だけの住居表示が書き込まれている。

 同博物館では「川越藩主の家臣の名前や道路網などがよく分かり、当時の様子を読み取れる貴重な地図といえる」と話している。